問題は、映画製作の過程で起こった。
私は、新潟で映画製作をするにあたり、新潟のローカル芸能人、芸能事務所を絡めたほうが良いだろうと思い、ナマラに話を持っていったのである。
代表との話し合いの結果、ナマラには政治問題に強い?芸人が居るという事で、その芸人を出演させる事になった。ファンも居るので、出演させる事でPRにも繋がるだろうとの事であった。私もそれに期待した。
さて、ギャラの話になった。
私は相場が全くわからないので、幾らぐらいか訪ねた。
すると、代表の江口が間髪入れずにこう言った。
「10万だ。」
その顔は何故かニヤニヤしていた。
(吹っ掛けられているのか?)
私は内心そう思った。しかし、話を聞くと、講演会にしろ何にしろ、5万、10万というのがこの会社、芸人の相場たというのだ。
そう言われると、そういうものだと思わざるを得なかった。
私は額については納得することにした。
しかし、この芸人の起用は客寄せの意味合いが強く、出演シーンもほんの数シーンだけであった。それで、この値段は高いと思ったので、プラスで条件を付けた。それは
1,オーディションの手配
2,エキストラ集め
この二点も協力して欲しいということであった。
新潟で長く芸能事務所をやっていると自負しているナマラである。こういったことは得意だろうと話を振った所、
「わかった。」
と、その業務込みで10万となったのである。
代表の江口とその内容で話をつけた後、担当となる社員Aが決まり、以後はAと話を進めていった。
Aと話をすると
「オーディションの件は大丈夫だ。以前も映画のオーディションをやったが、その時は代表の江口が審査員になり、新潟日報にも宣伝してもらい、沢山の参加者が来た。今回も江口に審査員をやらせれば沢山人は集まるだろう。」
とのことであった。これは非常に嬉しい情報だった。きっとオーディションは盛況だろうと思った。
またエキストラ集めについても不安だった。特に大勢の人が必要となる
①議場シーン
②お祭りのシーン
での人集めが不安だった。しかし、Aにその旨を伝えると、
「議場の議員役も大丈夫だ。ナマラはあちこちの老人クラブとも付き合いがあるので、一声かければ、議場一杯集める事ができる。それから、お祭りのシーンも、ナマラにはゴールド人材エンターという組織があるので、そこに一声かければ商店街一杯に人が埋まり、お祭りのシーンも演出できる。」
との事であった。
これは本当に嬉しい答えであった。
無名の映画であるので、大規模シーンにエキストラが来てくれるのか、それが最大の不安だったのだが、ナマラに任せれば大丈夫だと思った。
以上のような経緯で
1,芸人の出演
2,オーディション、エキストラ集めの協力
の内容で、10万円という契約が成立したのである。
後は制作を進めていくだけであった。
しかし、、、その約束は果たされなかったのである。
まず第一にオーディション。
事前の話では、ナマラ代表の江口が審査員に入り、新聞にも取り上げられ、オーディションは盛況となるはずであった。ところが、、、
・江口は審査員として来ない。
・オーディション会場のセッティングも会場をただ借りただけ。
・当日はスタッフとして、Aともう一人のナマラ社員が来るはずが、Aは急用で来れず、社員が1人だけ来る。
・新聞にも全く取り上げられていない。
というとんでもない内容であった。
それで急遽、私の方で出演を約束してある役者に何とか連絡を取り、受付スタッフ、審査員をかき集めて、何とか乗り切ったのである。
オーディションは何とか終わった。参加者も多くなかったが、何とか役を充足させる事ができそうだった。しかし、来てくれた人たちは私の方で個別に当たった人が大部分で、ナマラ経由で来た人はほぼ居なかった。PRなどロクにしていなかったのだ。
それで頭にきた私は代表の江口に電話で苦情を言った。すると
「わかった。確認する。」
と言い電話が切れた。その後、すぐにAから電話がかかってきた。
「江口に言ったの?!そういう事言わないでくれる?!」
と逆ギレであった。自分の不手際を棚に上げてである。いったいどういう男であろうか?
私はますます頭にきたが、業務はまだ残っている。というかこれからが本番だ。とにかく残りの芸人の出演とエキストラ集めはしっかりやってくださいよと念を押した。
一度チョンボをやれば、次は反省してちゃんとやるだろう。私はそう思った。
しかし、、、全くそうではなかった。
芸人の出演シーンについては、打ち合わせ通り、芸人がやって来て撮影が行われた。
しかし、エキストラ集めでとんでもない事を言い出したのだ。
私が
「議場の方のエキストラ集めは手配できていますか?老人クラブへの声掛けは?」
と聞くと、こう言ってきた。
「ウチは確かに老人クラブと付き合いがあるけど、仕事を貰う立場だから、、、逆に声をかけて動員とかはできません。」
とのことであった。
「一体何を言ってるんだ?」と私は唖然とした。撮影はもう一週間後である。それで何の準備もできていないのだ。
(もうこの男は駄目だ)
そう結論づけた私は奔走した。結果、議場を使わせてもらう自治体の副市長に頭を下げ、
「手違いでエキストラが集まらなくなった。何とか役所の方で声をかけてくれないでしょうか?」
と。副市長は困ったような表情を見せたが、
「市のPRでもありますからね、、、。職員向けの一斉メールがあるので、それで募集してみましょう。撮影の日は確か休日でしたね?何とか職員達も来てくれるでしょう。」
と言ってくれたのだ。
私は本当に助かったと思った。この映画でもしこの議場のシーンに人が集まらなければ映画は完成しないのだ。私は天に祈るような気持ちで職員たちが来るのを期待した。
そして撮影日、、、何とか議場が埋まるほどのエキストラが集まってくれていた!
私は胸をなでおろした。映画の最重要シーンの完成がこれで決まったのだ。残念ながら、イメージした全員年寄りという絵には成らなかったが。
しかし何とかこのシーンを乗り越え、撮影は最後まで終わった。しかし、残念ながらというのか、当然にというのか、ナマラにもう一つお願いしていたお祭りシーンのエキストラ集めについても何だかんだと言い訳し始め、結局そのシーンもこちらで工夫せざるを得なかったのである。もうどうしようもなかった。そういう男なのだ。
それで、撮影後のバタバタも一区切り落ち着いた頃、私はナマラの代表に文句を言いに言ったのである。
「オーディションのセッティングとエキストラ集めを込みで10万という事で納得したのに、Aは全然やってくれなかった。オーディションに江口さんは来ないし、議場のシーンだって老人クラブには声を掛けられないと急に言い出すし。本当に大変だった。どうしてくれるのか?その分料金を負けてくれるのか?」
と。すると江口はニヤニヤと笑いながらこう言った。
「10万は10万。今度からちゃんと契約書作ってやった方がいいよ。」
と。
信じられるだろうか?自分の会社の社員が起こした問題なのに丸で他人事である。
”契約書を作った方がいいよ。”
だって?口約束だって契約じゃないか?
それがこの無責任ぶりである。
私はこの江口歩という男が全く信じられなくなった。(社員のAもそうだが。)
その後、結局
「10万振り込んでください。」
と催促の連絡だけはよこすので、ちゃんと支払ったが。しかし、私は内心むしゃくしゃしてしょうがなかった。契約不履行なのに何だと。しかし、映画の評判に悪影響があってはと、その時は我慢するしか無かったのである。
さて、時は流れた。映画も大してヒットせず。この事を黙っている必要もなくなったのでここに記しておく。
その後の宗教ハラスメント問題についても全く知らんぷり。
本当にいい加減で無責任な会社である、ナマラエンターテインメント。代表、江口歩。
このような者をのさばらせておくのは如何かと思うが。新潟の諸君はどう思うだろうか?
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